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 バイオガスの生物脱硫システムの開発

作成年度 2003年度
論文名 バイオガスの生物脱硫システムの開発
論文名(和訳)
論文副題 平成15年度(農-6)
発表会 平成15年度技術研究発表会/第47回北海道開発局技術研究発表会
誌名(No./号数)
発表年月日 2004/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
北海道立工業試験場 環境エネルギー部北口 敏弘(KITAGUCHI Toshihiro)
酪農学園大学岡本 英竜(OKAMOTO Eiryu)
アド・エンジニアリング株式会社平川 恵司(HIRAKAWA Keiji)
抄録
近年、酪農業をとりまく環境は内外ともに厳しさを増しており、北海道においても飼養頭数の増加、集団経営など規模の拡大により低コスト化して国際競争力の増強を図っている。北海道における乳牛の一戸当たりの飼養頭数は1970年に13頭/戸であったものが2000年には87頭/戸と増加し、1970年の6.7倍となっており、今後も一戸あたりの飼養頭数の増加傾向は続くと思われる。このような規模の拡大は排出される糞尿の増加をもたらし、地下水、河川、湖沼などの環境汚染を招くケースも見られる。平成11年には「家畜排泄物の管理の適正化および利用の促進に関する法律」が施行され、環境に与える負荷を極力抑えた家畜糞尿の農地還元技術の確立は急務となっている。このような状況の中、北海道の酪農家の中には乳牛糞尿を農地還元する前に悪臭を軽減し、易分解性有機物の分解を行うために糞尿の嫌気発酵処理を行うとともに発生したバイオガスを利用して発電や温水の供給を行う施設を導入するケースが増えてきた。しかし、バイオガス中には腐食など機器に悪影響を及ぼす硫化水素が数千ppmと高濃度で含まれており、バイオガスを利用するためにはそれを予め除去しなければならない。下水処理場やし尿処理場などでは従来、悪臭を除去するために酸化鉄などを充填した塔に対象ガスを通し硫化鉄として脱臭する方法や炭酸ソーダや苛性ソーダなどを使用して脱臭する方法が用いられていたが、それをそのままバイオガスの脱硫に適用した場合、維持費が高価であるとともに後者は薬物の管理など酪農家には不向きな面がある。また、最近微生物を利用した脱臭装置が見られるようになったが、硫化水素濃度が数十ppm程度の比較的低濃度の空気を対象にしたものであり、バイオガスの硫化水素除去にそのまま適用できない。これらのことから、維持費が安価でメンテナンス作業の負担が極力かからないバイオガスの硫化水素除去システムの確立が望まれている。上記問題を解決するために硫黄酸化細菌の硫化水素酸化作用を利用した高濃度硫化水素除去方法について実際の嫌気発酵処理施設において発酵槽内に直接空気を送り発酵槽内で脱硫する方法、微生物担体を充填した充填塔に糞尿や循環水を滴下する方法についての検討を行った。
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