石狩川は、明治時代後期から改修の手が、加えられて現在に至っているが、改修前の着狩川は、アイヌ語で、「イシカラベ川(屈曲せる川)」と呼ばれる通り、湾曲の著しい河であった。このような蛇行は洪水疎通能力を低下させるため、水位の上昇をもたらし、すぐさま氾濫し、沿岸一帯が泥海と化すことも度々であった。そのため、石狩川の改修方式として、まず第1に捷水路(ショートカット工事)が実施されることとなり、同時に掘削、築堤工事等の河道改修も並行して全区間で継続的に行なわれ、石狩川の洪水流下能力の向上、洪水位の低下等の治水効果があった。さらに、これらの改修に伴って石狩川の低水路内の土砂収支にも大きな変動を生じている。このような、河川の改修に伴う洪水流下特性の変化及び、河床の変動を把握、予測するとともに、過去の改修効果を確認することにより、法線等河道平面計画、河道縦断計画、堤防補強計画、段階的改修施工計画等、今後の河川改修のあり方を考えることが可能となる。本研究は治水施設による流出流下形態の変化及び、流域の変化を考慮した総合的な予測モデルを構築し、その効果的な治水対策、河道の安定性について検討するために、石狩川の改修工事による流下形状の状況の変化とその治水効果及び、河床変動について検討し、石狩川の改修による効果について、その実態を把握し、モデルによる再現計算等を行なったものである。 |