北海道における総固定資本形成は、北海道総合開発計画の効果を分析するためにも、さらには道民所得推計における主要な構成項目としてであるばかりでなく、経済動向の見通しや、予測における主要指標として極めて重要な数値である。当局では、以上の観点から昭和33年度より当局発足以来の総固定資本形成について層化標本抽出調査によって推計してきているところである。これは、実績として決算ベースから抽出調査により推計処理するため、推計値は、確定額としての性格を持ち、精度的にも最も望ましいものである。しかし、決算ベースを前提としているため調査が可能となる時期としては、一般に法人企業の決算期が3月期及び9月期の2種類が主体を占めているため、少なくとも早くて次年度の第1四半期から、遅くは第3四半期にならざるを得ず、加えて、これに推計処理時間をみると、2年後でないと推計値が確定できないことになる。一方、最近の経済動向は、極めてめまぐるしく変動しており、官、民を問わず経済運営に、公共事業の執行方針とその運用に、又た経営戦略に総固定資本形成も含めて、主要な経済指標の最近値についての要請が益々高まりつつあります。特に、資本形成額については、北海道にあって当局のみが調査発表しているものであり、その速報値については関係方面より強い要請がある。そこで、これらの要請に応えるべく、極く最近年の総固定資本形成の概定見込値の推計方法にいて検討したので、その概要について、ここに報告するものである。これが、北海道開発計画調査の円滑な推進の一助ともなり、その成果が、北海道経済の分析及び北海道総合開発計画の推進管理に役立ち得る有意なものとなる様、さらに精度の向上を図る所存で在りますので、関係方面の御批判、御指導、御助言を頂ければ幸いであります。 |