耐候性鋼材の裸使用橋架は、近年国内で普及しつつある。北海道の道路橋としては、昭和58年度に三国橋、浮島橋、二股橋、幌向橋の4橋に採用されている。昭和56年に制定された「北海道における耐候性鋼材裸使用の設計及び施工指針」に普通鋼材の塗装使用橋梁と異なる設計細目が工夫され、安定さびの形成を阻害することのないよう留意されている。しかし、主桁連結は高力ボルト接合を使用する場合が多いことから、安定皮膜が形成されづらい個所である。したがって、その対策として 1)連結部の使用ボルト本数を11%増とする 2)防錆処理高力ボルト 3)さび安定化処理耐候性高力ボルト 4)メッキ高力ボルト 5)エポキシ・シール高力ボルトの使用等種々の方法がある。二股橋に為いては、主桁連結の一個所に溶融亜鉛メッキを施した高カボルト(F8T)及び溶融亜鉛メッキ打込みボルト(B8T)を使用することにより、添接部の耐食性向上を計った。高力ボルトは、摩擦接合用として使用されるものであるが、高力ボルトの弱点である「遅れ破壊」の危惧を解消するため、ボルトの締付力はF6T程度とする、ナット回転法により「高力ボルト支圧接合」とした。高力ボルトによる支圧接合は、実橋としては新しい試みであり、その設計施工にっいて報告するものである。 |