函館空港は昭和36年に供用が開始されて以降、その間2度にわたる滑走路の拡張と各種の空港整備が実施されてきた。現在では大型ジエット機の通年運行が確保されている。この空港整備の一環として、今回、航空機のさらに大型化に伴う空港の安全確保と、水害の防止を図る目的で、空港直下を流れる志海苔川水路トンネルの切替工事を実施した。既設水路は空港盛土の施エ時に築造したボックスカルバートであるが、新設水路ば供用中の滑走路を横断するため、シールド工法を採用した。表題の「函館空港のシールド工事について」は、第26回の技術研究発表会において、工事の設計施工の概要について発表したところであり、今回は引続いて施工管理計測の結果について述ぺるものである。なお、この計測結果については昨年の第18回土質学会研究発表会においても発表しているものである。従来、シールド工事に関する計測は多数実施されている。ただし当該工事のように、盛土施工後わずか15年しか経過していない若令盛土地盤における周辺地盤の挙動、および覆工に生じる応力状態に関する計測データは皆無といえる。しかもシールド路線上に滑走路、誘導路などの重要構造物があり、また路線に隣接して既設水路があるため、施工中および施工後に有害な変形が生じることは許されない状況にある。従って以上の特殊な施エ条件を考慮して、若令盛土地盤における計測デ一タの収集と施工管理を目的として、各種の計測を実施した。ここでは、そのうちのいくつかの計測結果について述べる。 |