国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

論文・刊行物検索

詳細情報

 送毛トンネル補強対策について-中間報告-

作成年度 1984年度
論文名 送毛トンネル補強対策について-中間報告-
論文名(和訳)
論文副題 昭和58年度(B-7)
発表会 昭和58年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和58年度技術研究発表会
発表年月日 1984/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
菊池邦彦
戸井田敏弘
喜多本好弘
坂田勝彦
抄録
一般国道231号送毛トンネルは、札幌市から約64km北に位置し、海岸から約2km内陸の標高200~300mの出地に建設された山岳トンネルである。両坑口は沢地形に設けられ、トンネル本体はやや鞍部をなす尾根下を貫通した延長1k901mの長大トンネルである。トンネルの周辺を構成する基盤岩は、新第三紀・中新世に対比される浜益層群・昆砂別熔岩層の角閃石安山岩の熔岩からなり、新鮮部は硬質績密な岩相を呈するが、局所的に鉱化変質作用をこおむり劣性な岩盤状態となる。また、空中写真の判読によれば、送毛トンネルの方向(南北)と10°~20°の鋭角で交差する線構造が、トンネル中央付近に認められ、地質的に軟弱なゾーンの存在が推定された。本トンネルは昭和47年に着工し、5年を要して完成したが、トンネル中央部より札幌側は地質が劣性なこともあり、施工は困難をきわめ、特に完成後著しい変状をきたしたトンネル中央部の4ブロックでは、延長144mにわたり、支保工・覆工の変形などの災害が発生して、巻厚の増加、鉄筋の追加、そしてインバートの増設などの対策工を構じた施工履歴を有する。トンネル完成後数年間は目立った変状は無かったが、3年後の54年には中央部より札幌側の5カ所で歩道と縁石に若干の変状が発生した。しかし、この変状はいずれも際立った進行が認められず、規模も数cm以下と小さいものであったが、56年6月にはトンネル中央部の4ブロック(SPl8k925~18k950)の約25 m区間で、山側路面と縁石が約30cm浮き上り、変位の進行も急激なことから、内空断面の縮小、覆工の破損など、トンネルの維持管理の上で少なからぬ問題を生じた。この変状の対策として、まず、変状原因調査(変状調査と地質調査)を実施し、その地圧機構を究明した。そして、対策工法としてアンカー工、インバートエを選定し、その施工にあたっては管理計器(内空変位、岩盤内変位、土圧測定など)のデータを基に、現在、施工中である。本論では、調査の結果と対策工法の選定、そして、施工の経緯についてその中間報告をするものである。
本文表示
このサイトで提供される情報には、PDFファイルが使われています。PDFファイルをご覧頂くにはAdobeReaderが必要です、「Get AdobeReader」をクリックしてダウンロードしてください。 AdobeReaderダウンロード
ページの先頭へ

この画面を閉じる

© 2023 Civil Engineering Research Institute for Cold Region, All rights reserved.