北海道は、多雪・寒冷に加えて、冬の季節風や発達した温帯低気圧のもたらす強風雪のため、吹雪が多発するという、厳しい気象環境にある。道路交通の発達によって、吹雪による障害は、吹溜りだけでなく、視程障害によるものが増加しており、その対策も多様化してきている。しかし最も古くまた、現在でもよく利用されているのは、防雪柵である。防雪柵の研究は、国内外において多く行われているが、それらの結果を比べてみると、大きな違いがある。主な理由は、吹雪量など気象条件が異なるためと考えられる。このことは、気象環境によっては、防雪柵の機能や使用方法も異なることを示している。また、最近は、材料や工作技術の向上によって、多種多様な防雪柵が開発されている。防雪柵を有効に利用するには、それぞれの特徴を知る必要がある。最近の用地難は、防雪柵の設置にも厳しい条件を与えている。これらの条件下で、防雪柵を選定するためには、防雪柵前後の吹溜り雪丘の形、大きさが、柵の構造や気象条件によってどうなるか、その特徴を知る必要がある。これらのことから、石狩町において、防雪柵の試験を行っている。ここでは、柵高や下部間隙の大きさを異にした4種類の防雪柵を設置し、柵前後の雪丘形状や防雪容量について調査・検討した。 |