例年春先になると道路にはもうもうと粉じんが舞い稽び、北海道は一年間で最も汚い季節を迎える。原因の大半はスパイクタイヤが路面を削ってできる車粉によると言われている。積雪寒冷地では冬道でも安全に走行できるタイヤが不可欠となるが、現在冬タイヤと言えば スパイクタイヤを連想するはどその装着率は高まっている。スパイクタイヤは昭和32年にフィンランドで開発されてから、まだ4半世紀しかたってなく、それが日本に登場したのは昭和39年ごろからである。それ以来操従安定性、乗り心地、脱着の容易さ等の優れた点をだれもが認めることとなり急速に普及してきた。特に北海道での普及は早く、現在の装着率は全国一である。 このように北国の生活で必需品ともなったスパイクタイヤが、国民生活を侵すものとして近年問題視されるようになってきた。内容物には、車粉が入体に悪影響(呼吸器障害、じん肺等)を与えると共に、路面の摩耗に起因する補修費が年間数百億もむだになるためである。このため現在は官民一体となって対処すべく種々の協議会研究会等が発足され対策に当っている。このような状況の中で、北海道開発局建設機工作所では現在除雪事業に使用されている大型除雪機械について除雪能力、安全性等の面からスノータイヤ使用の可能性を追究すべく調査を行っており、56年度の建設機工作所構内の実験に引続き、57年度に旭川で構内実験を行ったのでその成果を報告する。 |