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 草地開発の意義と役割について(第3報)-経済的な畜産物生産方策と可能性-

作成年度 1984年度
論文名 草地開発の意義と役割について(第3報)-経済的な畜産物生産方策と可能性-
論文名(和訳)
論文副題 昭和58年度(F-28)
発表会 昭和58年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和58年度技術研究発表会
発表年月日 1984/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
亀岡敏彦
抄録
昭和57年における北海道の飼料作付面積は、耕地面積の半分以上にあたる約60万ha、全国の飼料作付面積の63%を占めている。豊富な自給飼料基盤のもとに、昭和58年2月1日現在、785,400頭(うち成牛490,750頭)の乳用牛と227,800頭(うち乳用種158,100頭)の肉用牛を飼養し、生乳224万t(全国シエアー33%)と牛枝肉4.3万t(同9%)を生産している。飼料農家の戸当たり経営規模は、乳牛43頭(都府県18頭)、肉牛39頭(同7頭)と都府県を大巾に上回っているのはいうまでもなく、EC諸国の水準をも越えている。しかし、大型畜産経営を展開している北海道における昭和57年の1日当たり家族労働報酬は、酪農4,613円(都府県7,348円)、肉牛マイナス(同3,553円)という低収益な実態を呈し、大規模経営による労働生産性の向上という趣旨を逸脱しており、北海道畜産の発展において憂慮すぺき事態に陥っている。北海道は豊富な自給飼料基盤に恵まれているにも拘らず、肉牛は恣ちろん酪農においても購入濃厚飼料への依存割合が年々増えており、粗飼料給与比率でみた昭和57年の自給率は酪農66%、また肉用牛(肥育牛)で10%以下と低下傾向を辿っている。なお飼料費の経営費に占める割合(もと畜費をのぞく)は、酪農で72%、肉牛で88%と、生産コストの大部分を占めている。このため、飼料費の節減をおし進めてこそ初めて収益性の高い畜産経営の確立が可能となろう。既報においては、飼料給与構成から北海道畜産の経済性を論じたが、本報告はこれに続くものであり、上述の現状を踏まえて、北海道における経済的な畜産物の生産方策と自給飼料基盤の整備拡充の必要性について述べたものである。
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