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 空港のジェット化が地域社会に及ぼす影響について-帯広・秋田空港の事例-

作成年度 1983年度
論文名 空港のジェット化が地域社会に及ぼす影響について-帯広・秋田空港の事例-
論文名(和訳)
論文副題 昭和57年度(G-3)
発表会 昭和57年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和57年度技術研究発表会
発表年月日 1983/10/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
山縣宣彦
森信幸
抄録
空港の整備は昭和26年に民間航空が再開され、昭和31年に空港整備法が制定されて、2種空港を中心に進められてきた。その後、航空輸送の増大と航空機の大型化・ジェット化に対処するために、昭和42年から始まる第1次空港整備5ヶ年計画、昭和46年からの第2次空港5ヶ年計画、昭和51年からの第3次空港整備5ヶ年計画、そして現在は昭和56年からの第4次空港整備5ヶ年計画に基づいて、計画的に空港の整備が進められている。空港の整備を広義に解釈すれば、すなわち空港整備特別会計によって行なわれている事業としては、航空路ネットワークの中のノード(結節点)の整備をする空港整備事業とリンクの整備をする航空路整備事業及び航空機の騒音に対する環境対策事業があるが、ここでは狭義に空港整備事業のみに限定して整備の進展を図式化すれば、滑走路の新設又は延長という形でとらえることができる。滑走路が延長されると就航できる機材も大型化され、空港の規模も異なってくる。空港の規模によって空港が周辺地域社会に及ぼす影響は異なるが、本報告では空港あるいは航空輸送システムにおいて、一番大きな変化である空港のジェット化というインパクトがどのような航空輸送の変化を生み、またそれに伴って地域社会にどのような影響を及ぼしたかについて検討するものである。ここで空港がジェット化され、ジェット機が就航してどのような航空輸送の改善がもたらされたかを考えると、大きく3つの改善効果が挙げられる。イ)時間短縮…YS-11型機では時速約450km/mであったものが、ジェット機は850~900km/mであり、巡航距離の長い遠距離路線ほど所要時間が短縮される。ロ)容量増大…座席数、貨物搭載可能量が増大し、特に貨物ではB-727以上の航空機でコンテナが搭載可能となり、さらに容積上の制限も緩和される。ハ)就航率向上…一般的に空港がジェット化されると合わせてILS(計器着陸装置)が設置され、視界不良でも着陸が可能となるので就航率が向上し、定時性・確実性が良くなる。空港のジェット化がもたらす 外部効果とは、空港が拡張整備 され(公共事業等がなされ)、ジェット機が就航して航空輸送の改善がなされた時に、短期的・長期的にあるいは、直接的・間接的にもたらされるものである。外部効果として は航空輸送システムの改善による外部効果と空港の設置がもたらす効果に分類し、それぞれの効果を建設期間から供用後に至る時間の経過も考えて、より直接的な効果を内側に、波及的なものを外側に配置した。航空輸送システムの改善による外部効果は地域社会にとってプラスの 効果を有しているが、空港の設置がもたらす効果の中には騒音で代表されるような外部不経済の効果が含まれている。本報告は、航空輸送システムの改善による外部効果の中で短期的・直接的に作用すると考えられる「利便性の向上」及び「企業活動の活性化」という効果を航空旅客・貨物動態の変化、あるいは事務所活動における変化という観点から把握するものである。
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