| 近年、港内静穏度の確保や反射波低減の見地から、防波堤や岸壁に対して直立式消波構造とする要請が出されるようになり、各種構造体の研究開発がなされている。この内の一様式として本研究で取り挙げた直積消波プロッグ構造がある。この構造様式は近年になって岸壁あるいは波除堤などの港湾構造物として採用され始めている。一般的な重力式構造様式と比較してみると、構造白体が消波機能を有するため法足を取らないので船舶に対する航行障害がなく着岸も可能であり、施工面でみるとブロック本体は陸上製作であり比較的軽量であることから大型施工機械が不要である、などの特長がある。一方では、個々のブロックに対する波力・揚圧力の作用形態が複雑でかつ研究例も少ないこともあり、設計に際し不明僚な部分が多々見受けられる。このようなことから、直積消波ブロック構造の設計法確立が緊急課題として挙げられるようになり、本研窕を開始した次第である。本年度は研究初年度として、直積消波ブロック堤の上部工及びブロック本体の揚圧力や水平波力に対する安定限界とその倒壊パターンを上部工に作用する揚圧力と関連付けて把握し、当該構造様式の設計法を確立するための資料を取得することを目的とする。実験は、ブロック4段積の防波堤様式で造波水路において①ブロック動態実験、②波圧・揚圧力実験を実施し、イ)上部工の空気孔の効果、ロ)上部工下面の静水面との距離(クリアランス)の影響、ハ)ブロックー体化の効果、を中心に取りまとめたものである。 |
