国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 ホッキガイの減耗について(その3)-波浪によるホッキガイ稚貝の減耗に係る試験-

作成年度 1983年度
論文名 ホッキガイの減耗について(その3)-波浪によるホッキガイ稚貝の減耗に係る試験-
論文名(和訳)
論文副題 昭和57年度(G-19)
発表会 昭和57年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和57年度技術研究発表会
発表年月日 1983/10/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
渡辺栄一
抄録
ホッキガイは、北海道沿岸の浅海砂浜域に生息する潜砂性の二枚貝で、北海道にとってはホタテガイについで重要な漁獲対象種である。この種の増産対策としては、漁獲量や殻長制限、禁漁期の設定、漁具・漁法の制限、輪採制の導入などが行われているが、これらは資源管理を基本としたもので消極的な対策に留まったものである。一層積極的な方法である種苗生産、中間育成や漁場造成といった資源培養を目的とした実施例はあまりなく、波浪による打上げ防止を目的とした事業が2例あるに過ぎない。天然の場を利用して増産を図るには、増産を阻害している要因を除去あるいは低減することが効果的であると考えられる。これまでの報告等から、稚貝段階における波浪による稚貝の減耗が最も増産を阻んでいるであろうと指摘されている。波浪によって稚貝が減耗する可能性としては、海底砂の動きのために僅かしか潜砂していない稚貝は砂上に出され、水粒子や砂の動きに応じて浮遊転動する。時化の間この浮遊転動の状態に置かれると砂の摩擦などにより稚貝の活力低下や貝殻破壊を引き起し、この結果、へい死が予測される。本文は稚貝が海水と砂の混合された中で浮遊転動される状況を振とう試験機によって模擬的に再現し、稚貝の減耗への影響について検討した内容を報告するものである。
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