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 アウトドア体験型観光情報の提供について-「釧路川保全と利用のカヌーガイドライン」の作成-

作成年度 2004年度
論文名 アウトドア体験型観光情報の提供について-「釧路川保全と利用のカヌーガイドライン」の作成-
論文名(和訳)
論文副題 平成16年度(協-7)
発表会 平成16年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成16年度技術研究発表会
発表年月日 2005/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
釧路開発建設部 治水課渋谷 直生(SHIBUYA Sunao)
小樽開発建設部 工務課藤原 清隆(FUZIWARA Kiyotaka)
帯広開発建設部 治水課谷口 清(TANIGUCHI Kiyoshi)
旭川開発建設部 治水課神保 章生(ZINBO Akio)
抄録
釧路川は、北海道東部の屈斜路湖に源を発し、とう別川等の支川を合流、釧路湿原を縫流、釧路市街を貫流し、太平洋に注ぐ、屈斜路湖出口から河口までの距離96.8km、流域面積2,510km2の一級河川である。また、釧路川は、多くの野生生物の生育・生息環境を形成し、特に、釧路湿原では国指定の特別天然記念物であるタンチョウや、絶滅危惧種で日本最大の淡水魚イトウなどの希少種を始め、湿原特有の生態系が形成されている。また、人間にとっても水がめとしての保水・浄化機能、遊水地としての洪水調節機能、地域気候を緩和する機能など重要な価値や機能を有しており、釧路湿原は将来にわたって保全すべき貴重な財産である。一方、釧路川では、カヌー、フィッシングなどの河川を利用したレクリエーション活動が盛んであり、多くの人にとっての楽しみや癒しの場として利用される貴重な水辺空間となっている。特に、釧路湿原を始めとする優れた魅力的な自然環境を有していることや、屈斜路湖から河口までは堰堤などの横断工作物がないことなどから、カヌー利用者が多く集うメッカとなっている。近年、流域の経済活動の拡大に伴い湿原面積が著しく減少し、湿原植生もヨシ-スゲ群落からハンノキ林に急激に変化してきている。湿原が長期的には陸化するのは避けられないが、近年みられるような変化は、野生生物のみならず人間にとっても好ましいものではない。湿原の保全・回復のため、実践的な各種調査・試験を行い、早急に対策に取り組む必要があり、そのためには、流域及び河川からの負荷を土地利用が急速に展開した以前の水準に戻す必要があると考えられる。また、流域住民、市民団体、民間企業、関係行政機関すべてが、釧路湿原を軸としてつながっているという認識のもと、交流・連携を深められる地域・社会づくりが重要と思われる。そのためには、釧路湿原の適切な保全と利用のルールやマナーの共通認識をもつことが重要である。
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