近年、国民の景観への関心の高まりから、平成15年7月に国土交通省において「美しい国づくり政策大綱」(以下、政策大綱)がまとめられた。広大な大地と雄大な自然、美しい農村風景など、優れた景観を有する北海道においては、美しい景観の保全や改善、美しい景観形成に向けたまちづくりやみちづくりなどのさまざまな取り組みを積極的に推進しており、平成15年度北海道開発局技術研究発表会においては、「北海道の道路景観整備ブック(案)」、及び「シーニックバイウェイ北海道」の検討状況や取り組みを中心に報告したところである。平成16年度は、昨年度に引き続き各地域において実施された良好な景観形成に向けた様々な取り組みに加え、国土交通省では政策大綱に基づく景観法の公布(平成16年6月)及び施行(平成16年12月)がされた。また、景観法に基づく景観計画区域等において実施される良好な景観形成に係る調査や公共事業を推進するため、新たに景観形成事業推進費の創設や実施、及び公共事業の景観アセスメント(景観評価)システムを確立するため、「国土交通省所管公共事業における景観評価の基本方針(案)」を策定し、これに基づく景観評価の試行等が実施されている。本稿は、北海道開発局におけるこれら政策大綱に基づく美しい景観形成に向けた、道路を通じた取り組みや検討、今後の方針について報告するものである |