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 道路における火山灰盛土と法面保護について

作成年度 1976年度
論文名 道路における火山灰盛土と法面保護について
論文名(和訳)
論文副題 昭和51年度(A-8)
発表会 S51年度技術研究発表会
誌名(No./号数) S51年度技術研究発表会
発表年月日 1977/02/25
所属研究室/機関名 著者名(英名)
高橋原充
佐藤茂治
抄録
漁川ダムは、昭和49年度より道々光竜鉱山恵庭停車場線の付替工事より着手され、昭和54年度を完成目標としている。本地域は支笏カルデラ噴出火山灰地帯で、ダム関連補償の内付替道々5.1Kmと、林道補償は4ルートで約7.0Kmの補償工事を行うもので、法面保護を必要とする面積は、道々で約10万m2、林道で約3万m2の大面積に達する。法面保護として、盛土法面では、ブロック積工、フトン籠工、柵工、石張工に張芝を主に施し、切土法面では吹付け工や穴あけ工法が採られている。火山灰土の特性は、保水性、粘着性に欠け、植生力がなく、降雨や凍害の浸食作用に弱く、法面が崩落しやすく、在来から悩みの種であるが、特に本路線はダム補償工事と言う事で、潅水湖の断がい絶壁の個所に選定されているルートであり、道々5.1Kmのうち78%が山腹、断がいの切盛土区間、残りの22%の1.2Kmが湖畔線で、しかもダム潅水湖内の盛土区間となっている。このダム潅水湖内の盛土もその道路も火山灰質土の切土残土の処理難と、盛土材料の入手難から、類例のない火山灰質土を主体とする盛土を採らざる得なくなっている。又、山腹を通る線形のため、沢部土工は、その法長も40mをこす大盛土個所も随所にある。そして、山岳道路で地形上、縦断勾配も6%の急勾配で、雨水がこの盛土個所に集中する傾向にあり、火山灰盛土面も他の土質にみられない防護法を講ずる必要がある。今回は、道々付替工事の内、大盛土法面の法面保護、長大な火山灰地の切上法面緑化と、現在施工中である湛水池内火山灰盛土工法の概略を紹介し、今後にむけて、火山灰土工のあり方の踏台としたい。火山灰質土の分布は道内広い範囲にあり、法面保護工は道路のみならず、ダム周辺、宅造など北海道特有の土工事共通のもので、一層調査研究を高め、道内火山灰地帯の土工設計施工の指針を確立することを切望するものである。
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