北海道では、コンクリート用骨材として従来より比較的良質の河川砂利や、海浜砂が多く用いられてきた。しかし最近では河川の利水計画あるいは治山治水事業の進歩や、海岸線保全などの点から骨材の採取に対する規則が強まり、建設事業の増大とともに骨材事業が悪化する傾向にあるといえる。このような情勢から未利用資源を有効に、しかも適切に使用する方法についての検討が望まれており、粗骨材に関しては、以前より砂利から砕石への転換が図られて、その使用割合も統計によると年々増加の一途を辿っている。砕石コンクリートとしての使用上の問題点も、多くの試験研究によってすでに解決さているが、一方、細骨材については、岩石を破砕して作る破砂を、従来より一部のダム工事において用い、天然砂に劣らない成果を得ているが、砕石製造時に発生する砕石砂は、そのほとんどが有効に利用されていないのが実状である。この報告は、産地を異にする砕石砂を主たる対象としたほか、砕砂、天然砂を使用して、モルタルおよびコンクリートの配合、強度、ブリージング凍結融解に対する抵抗性など基礎的性状について検討を加え、コンクリート用細骨材としての使用方法に関する資料を得ることを目的としたものである。 |