盛土中に層状に鋼製、もしくはアルミニューム製のストリップを埋設し、土とストリップ材との摩擦により、盛土に一体化した強度を持たせようとするテールアルメ工法、すなわち。補強土工法は1963年フランス人、アンリービダールによって考案され、ヨーロッパのほか、アメリカ、カナダなどに普及している。日本では、1972年にその特許導入があって以来、本州方面で既に十数例施工されているが、北海道では、昭和50年一般国道12号旭川市神居古潭地内における、道路改良工事において、仮設的に採用したのが最初である。なお、当該箇所においては、盛土側面にプレキャストコンクリート製のスキンを設置した。本工法の設計法は、一応、一般化されてはいるが、スキンに作用する土圧の大きさ、およびその分布、土とストリップ間の摩擦係数のとり方、ストリップ材に作用する引張り応力の大きさ、およびその長さ方向の分布、などの関する検証データが少なく、現段階では、その施行に際して十分な施行管理のための調査試験を行なうとともに、その結果居もとづずいて、現行設計法における問題点の解明、ならびに設計法の改良を試みることが必要と考えられる。このような問題意識のもとに、当該工事箇所においてスキンやストリップにとりつけた各種測定計器、その他による調査試験結果にもとづいて、設計値と実測値の比較を行い、現行設計法の妥当性、または問題点について検討するとともに、その施行に際して留意すべき事項などについて述べる。 |