テレビの電波障害は、都市の近代化、建築物の高層化に伴い生じてきた障害である。テレビ電波としては、VHF帯(90~108MHZ CH1~CH3、170~222MHZ CH4~CH12)と、UHF帯(450~770MHZ CH13~CH62)が使用されていて、これらの電波は光と同様な直進性をもっているので、建築物や山などの障害物があると、しゃへいされたり反射したりする。都市部で受信される電波には、直接波のほかに、必ず他の建築物によって反射した反射波も含まれるが、普通は反射波が比較的に弱いので画像には現れず、あまり問題にされません。しかし、ビルが建設されて今まで受信していた直接波がさえぎられると、アンテナで受信する電波が弱くなり画面にちらちらとしたスノーノイズが目立ってくる。また、今まで直接波が強くて問題にならなかった反射波も、画面に目立ってくるようになる。これらをビル陰障害といい、一般的に、建物の建設で問題とされるテレビ電波障害とは、このビル陰障害が主なものである。ここでは、小樽海員学校の建設により、朝里地区(新光町)約60戸に発生したテレビ電波障害の、防除工事の内容と結果を報告し、今後、建築物によるテレビ電波障害の改善の参考としたい。 |