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 コンクリート構造物の凍害について―被害調査から観た成因と対策―

作成年度 1977年度
論文名 コンクリート構造物の凍害について―被害調査から観た成因と対策―
論文名(和訳)
論文副題 昭和52度(A-12)
発表会 昭和52年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和52年度技術研究発表会
発表年月日 1978/02/24
所属研究室/機関名 著者名(英名)
今井益隆
太田利隆
抄録
コンクリート構造物に要求される性質として、一般には所要の強度を有するとともに、耐久性にすぐれていることが挙げられる。従来より、使用条件、環境条件などに対して、適切な材料の選定を行い、適正な設計、試工がなされたコンクリート構造物は、長年月に亘って安定した品質を保ち、数十年を経てもなお健全であることは衆知のとおりである。コンクリートの耐久性、とくに凍結融解の反復作用に対する抵抗性は、本道のような積雪寒冷地においては極めて重要な性質であり、AEコンクリートの使用が一般的となった今日では、大幅に耐久性が改善されたとはいえ数年も経たないコンクリート構造物に、気象作用によると認められる被害が発生し、所定の品質が損われて使用に耐えられなくなった例も少なくない。凍害の要因、機構などについては、既往の研究成果によりほぼ明らかにされてはいるが、被害の発生が絶無となり得ないのは、多くの要因が複雑に影響するためであると考えられる。筆者らはさきに凍害に影響を及ぼす因子の一つとして、コンクリートの養生程度を挙げ、急速水中凍結融解、はく離促進、自然暴露などの諸試験の結果より、湿潤養生の重要性とくに混合セメントの場合、初期養生を十分に行うことが耐久性確保の上で必須条件であることを明確にした。しかし、所定の配合基準により、耐久性から決まる水セメント比の規定に従って配合を定めた、コンクリート構造物の凍害実態調査の結果では、施工後1~9年経過したAEコンクリート402件の59%に何んらかの変状が認められており、配合とともに施工の良否も重要であることを示していると同時に、凍害の発生要因の複雑さを表わしているものといえる。本文は、凍害と推定される被害をうけた各種コンクリート構造物について、実態の把握と発生要因の推察を行った調査結果をとりまとめた報告であり、コンクリートの耐久性改善の一助にすることを目的としたものである。
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