冬季間に於ける北海道の道路は10数年前まで、豪雪又は吹雪等の雪害により道路が一時閉鎖されることは、ごく当り前のことと道民は考えていたように思われる。しかし、近年道路に対する価値観として、経済性・通勤・レジャーおよび快適性など交通機能の他に、沿道の環境、交通事故対策等に重点がおかれている。これらのことは冬季間に於いても要求される時代である。この為、現在2次改装中の国道12号は交通機能の重要性を考慮し、冬季間でもスムーズに走れる道路を築造すべきであると考え、1次改装当時より問題になっている地吹雪について今回基礎調査を行った。その結果、当試験区間である岩見沢市岡山地区では、回りが畑地であり、石狩平野を通過する北西又は西風をまともに受け、吹雪及び地吹雪の発生日数が非常に多く、視程障害を起し、追突等の交通事故の発生原因となっている。今回の調査でも、吹雪による視程障害が起きていると判断される回数は18回、延べ時間にして30時間にも及ぶ結果である。(51年12月~52年3月)この為、防雪林を計画したが、この防雪林の目的は降雪時の吹雪及び地吹雪を完全に防止するものではなく、視程障害の緩和と地吹雪による雪丘(吹溜り量)を少なくすることである。さらに防雪林は前記の目的と合せて、吹雪時の視線誘導、沿道の緩衝緑地、街路樹の役割等防雪柵にはない2次的効果を考慮して、樹林による防雪試験を行うものである。 |