大曲くい試験場(一級河川石狩川流域の堤外地、美唄市大曲地内)において、現在まで鋼管ぐい(普通鋼管ぐい、鋼管セル型ウェル、異形鋼管ぐい)に対して各種の静的および動的試験を行ない、これらに関する試験結果についてはすでに報告されている。51年度からは、新しい基礎工法ともいえる、多柱式基礎の支持機構に関して究明することを目標に新たに比較的大口径の鋼管ぐいを打設し、基礎的資料を得るため、各種の試験を行なってきたが、多柱式基礎とは、くいなどの基礎部材を地上あるいは水面上まで立ち上げてその頭部を頂版(フーチング)で結合させた基礎型式であり、このように形式的にはくい基礎であるが通常のくい基礎より、たわみ性の高い基礎となるため設計上違った検討がなされる場合が多いといわれている。これらを踏まえて52年度においても図-1に示す全体計画に合せて、くいの打設を行なった。また51年度実施した橋台背面の盛土については残盛高1.5m(全盛高5.5m)の盛土を完成させた。本報文では、52年度実施した静的試験の内鉛直支持力と水平抵抗に関しての載荷試験結果を述べ、合せて51、52年度に実施したこれらの試験結果について若干の検討を行なうものである。 |