国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 水質分析共同試験について

作成年度 1977年度
論文名 水質分析共同試験について
論文名(和訳)
論文副題 昭和52年度(D-26)
発表会 昭和52年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和52年度技術研究発表会
発表年月日 1978/02/24
所属研究室/機関名 著者名(英名)
伊藤洋二
斉藤巌
玉川尊
抄録
化学分析の分析誤差は、一般に考えられているよりもかなり大きいのが普通である。とくに河川水とか岩石など、天然物の分析結果は工業製品等にくらべてその誤差が大きい。これは、化学分析の際に加えられる数多くの物理的操作のそれぞれの正確さによって結果の誤差が支配されることとなるからで、また天然物については、サンプリング時の組成の変動や、成分の複雑さによる共存成分の影響の程度の違いなども分析値のばらつきの原因となる。規格や法律などで分析方法が決められていても、実際の分析作業においては具体的に統一されたとりきめのない事項が数多く含まれていることから、これが分析所間の分析値の違いとなって現われてくるものと考えられる。北海道開発局では、河川水質管理のために一級河川13水系について約60地点、年間延1200程度の試料について調査分析が行われており、これらはすべて民間の幾つかの分析機関に委託処理されている現状である。水質分析は、その性質上項目によっては採水後ある期間内に分析する必要があり、結果を知ってからそれが異常値(生ずるはずがないと思われる値)であったとしてもやり直すことができないものもあり、また、その値が分析の失敗によるものか、あるいはたまたまその時の水質が実際に異常であったかの判断に苦しむ場合もしばしばある。また河川毎の水質を比較する場合には、分析所間の違いがあれば異なった分析所で測定した河川間では比較できないこともあり得る。しかも分析結果は最終的な数字しか残らないため、分析経過(試料の採取、保存、取扱いを含む)を明らかにすることが困難である。これらの事情から当土木試験所においては、委託分析試料の一部について同時に同一項目について分析するいわゆるクロスチェック分析を実施している。しかし従来実施している2分析所間のクロスチェックだけでは各分析所間の傾向を充分把握することは出来ないこと、分析所内でのばらつきが不明であることなどと、2分析所間のクロスチェック分析の結果を評価するためにはすべての分析所間の分析値のばらつきの程度を知り、その上で許容誤差を求めておくと都合がよい。 このような目的で局内の河川水質調査を担当している民間を含めた4分析機関で共同分析を実施したのでその結果を報告する。
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