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 漁川ダムの漏水予測と観測設備について

作成年度 1978年度
論文名 漁川ダムの漏水予測と観測設備について
論文名(和訳)
論文副題 昭和53年度(A-11)
発表会 昭和53年度技術研究発表
誌名(No./号数) 昭和53年度技術研究発表
発表年月日 1979/02/23
所属研究室/機関名 著者名(英名)
関克巳
抄録
近年、生活水準 産業水準の向上に伴う水需要の増加、中・下流域の土地利用が高度化したことによる上流域での洪水制御の必要性、エネルギー問題からの水力発電の見直しといった社会的背景の中で、水資源開発としてのダム建設の役割は大きい。しかし一方では環境問題・水没地域住民の生活保障といった問題がひかえているだけでなく、従来ダム建設地点として適当でないとして後まわしにされていた地点、特に軟岩上にダムを建設しなければならないという技術上の問題が提示されている。現在、石狩川水系千歳川支川漁川に建設中の漁川ダムも軟岩である低熔結凝灰岩を基礎としている。昭和40~45年の予備調査、昭和46~48年の実施計画調査の後、昭和49年に建設に着手、昭和52年6月に盛立てを開始し、昭和54年11月の湛水開始に向かい鋭意工事が進められている。漁川ダムは洪水調節と水道用水の供給を目的とした建設省直轄の多目的ダムである。ダムの型式は中心コア型ロックフィルである。前述のごとく軟岩を基礎とするため、調査の段階より綿密に各種調査・試験をし、慎重に検討を行った後建設に着手した。今後、盛立てを完了し湛水がなされるが、ダムの安全管理に十分な注意を払わねばならない。現在、当事業所で具体的な管理計画を検討している。本報告はそうした管理計画の中でダムの工学的安全を管理するため漏水量の観測を行なうにあたり、有限要素法を用いた漏水量の推定を行ない、その値を基礎として流量計と自記記録計を設置し、従来の三角堰などによる随時観視をすすめて、常時観視を行なおうとするものである。以下、ダム周辺の地質および提体の水理学的性質、観測設備計画、有限要素法による浸透流解析の理論、漁川ダムへの適用を記述する。
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