現在、北海道では道路の凍上防止対策として一般には置換工法がとられており、「開発局道路工事設計基準」では、歩道舗装について舗装と路盤工の合計厚を一般に30㎝としている。しかし、近年歩道除雪区間の延長に伴って、十勝、上川のような寒さの厳しい地方においては現行の置換厚さで施行された歩道舗装に凍上の影響と思われる舗装表面のクラック、凹凸、縁石の破壊などの被害が生じている。現行の置換厚30㎝は、歩道用細粒アスコン3㎝と、路盤10㎝、凍上抑制層17㎝を合わせた27㎝の切込砕石もしくは切込砂利とで構成されている。車道部では、凍結指数により60~110㎝の置換が行なわれているが、歩道等では舗装面の凹凸やクラックが歩行者、自転車の走行に対して、あまり支障にならないことから全道画一断面としているが、特に寒い地方の除雪される歩道では、縁石や歩道の破壊につながるので、経済的な対策工法を考える必要がある。この対策として、歩道舗装の置換厚を大きくとること、断熱材を使って凍結深さを小さく抑える工法、路床に横断方向勾配をつけて、凍上抑制層も含めた歩道路盤厚を車道部の路床にすりつける方法等が考えられる。これらの対策工法を検討するため、昭和49年度に一般国道273号清水谷自転車歩行者道において6種の試験断面を築造し、その後各試験断面における舗装面の凍上量、凍結深さ、クラック量の調査などの観測を行なってきた。本報告は、これらの試験断面についての調査結果をもとに積雪寒冷地における歩道舗装断面に関して検討を行ったものである。 |