「アスファルト舗装要綱」では、CBR設計法によって舗装構造が決められるようになっている。北海道開発局においてもこれにしたがい「設計基準」で路床の設計CBR、凍上抑制層材、凍結深さから決定される置換厚からA・B・C各交通における舗装構成が示されている。今回、この舗装構成を多層体の層構造としてBISAR(Shell Oil Co.)の弾性理論のプログラムを用いて解析し、荷重による舗装破壊の主因となっている基層およぴアスファルト安定処理層の下面における水平ひすみ,下層路盤・凍上抑制層・路床上面の垂直応力,表面・路床上面のたわみ量に注目して検討を行なった。アスファルト舗装の層構造解析に対して弾性理論を適用することについては、アスファルト混合物が粘弾性体であり、特に温度,載荷時間,載荷速度などの環境条件の影響を受けること、また、路盤・路床材が挙動の不明な土質材料であることを考えれば、一見不合理であるように考えられるかもしれない。しかし、載荷時の温度・走行速度などの環境条件を一定として、弾性係数(変形係数)・ポアソン比などの物理数および種々の条件を仮定して、理論的側面から比較を行なっても問題はあまり生じない。 |