河川工事における護岸工は治水対策上重要な河川構造物の一つである。近年社会資本の充実の伴い、河川の整備も急速に進みつつあるが、一般社会の河川行政に対する要望、期待も多様化し拡大されつつあり、また厳しさも一段と増して来ている。護岸の歴史は古く先人の長い間の経験、研究の成果に支えられ幾多の変遷を経て今日に至っている。これらの貴重な成果、実験を踏まえて、理論的肉付をし、現在、我々が使用しているものに昭和49年に北海道開発局が取りまとめた「護岸固工設計指針」がある。 これは従来よりの経験工学的な側面より脱したもので設計施工の手引として、大いに活用され役立っているものであるが、次いで未解決の「護岸法覆工」の分野においてもこれに準じた指針の策定をなし併せて護岸に関しての総合的マニアルとしての完全を期すこととしたものである。この内容は直轄各河川の実態に即応し、水理学的にもまた経済的にも適合するものとし、特に難しい問題である法覆コンクリートブロックの選定基準も含めることとして、昭和49年より今日まで5ヶ年計画で河川工事課、各開発建設部、土木試験所河川研究室が各種の調査、実験、解析を行ってきた。今年度は、昭和51年度より北海道開発局の指定課題として取り上げられて以来三年目、本研究の最終年度とし、いままでの研究成果をとりまとめて発表するものである。 |