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 流域圏定住構想と石狩川流域

作成年度 1978年度
論文名 流域圏定住構想と石狩川流域
論文名(和訳)
論文副題 昭和53年度(D-4)
発表会 昭和53年度技術研究発表
誌名(No./号数) 昭和53年度技術研究発表
発表年月日 1979/02/23
所属研究室/機関名 著者名(英名)
金子正之
恒松浩
抄録
昭和52年11月に策定された第3次全国総合開発計画は、有限な資源、環境、土地、水及び経済の安定成長という社会情勢をふまえて、その基本的目標として「限られた国土資源を前提として、地域特性を生かしつつ歴史的伝統的文化に根ざし、人間と自然との調和のとれた安定感のある、健康で文化的な総合的環境の計画的整備」をあげ、そのための計画方式として「定住構想」を示している。一方、「田園都市構想」が提唱され、更には「地方の時代到来」との論評も多いが、これらの目標とするところはいずれも同様である。こうした「定住構想」は、従来の全総、新全総策定後に深刻化してきた過疎・過密問題、環境問題に対して計画の見直しを行った結果、今後の開発方式として打ち出されてきたもので、計画の視点を総合環境(生活環境、自然環境、生産環境を総合したもの)の調和による地域特性を生かした定住環境の整備に移し、3大都市圏の人口抑制、地方圏の人口増加を促進しようとするものである。この定住構想実現のために、行政区画とは別に計画上の圏域としての定住圏を設定する必要があり、流域圏、通勤通学圏、広域生活圏を基礎とする方向が示されている。ここで「流域圏」として明記されているのは次に述べる理由によるものと考えられる。 ①生活・生産の根本条件としての水資源の賦存状況に対応した定住環境整備が必要。 ②地形。気候はもちろん、その自然現象の影響下にある社会・人文的諸現象も流域という地域的単元でまとまっていることが多く、計画上の圏域として適当。 ③歴史的にみても河川を媒介とした地縁的関連の強いことが多く、包括する圏域として妥当。こうした全般的な理由の他に河川管理者サイドからは、河川と流域(住民)との関わり方の変化による。治水・利水両面で海域を一体として扱う必然性の生じてきている点があげられる。即ち、大都市周辺での都市河川問題、西日本各地の渇水問題等にみられる、地域開発が河川に及ぼすインパクトの大きさを考えれば、流域圏の主幹である河川が定住構想において果すべき直接的・間接的役割及びその意義について認識を深め、将来における流域と河川の適正な関係を模索しておくことは、河川管理上、河川事業実施上重要である。ここでは、石狩川流域について新全総以降に設定されている広域生活圏(広域市町村圏、地方生活圏)をもとに、その圏域に石狩川の各支流を対応させて流域の発展の歴史と現状をとりまとめ、定住構想の基本的圏域としての妥当性及び流域圏との整合性について基礎的検討を行うものである。
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