局内で毎月定期的に実施している一級河川の水質調査は、その分析測定結果が河川水質年表として建設省から公表されているが、採水および分析測定はしべて民間の分析機関に委記されている。そしてその分析精度の管理の一環として当研究室において一部の試料、項目についてクロスチェック試験を継続しているが、昭和51年度からはさらに各分析所が同一試料を同時に繰返し分析する共同分析を実施している。共同分析の目的は、(1)現状における局内の分析精度を把握する。(2)クロスチェックの基準となる分析誤差を求める。(3)分析方法、操作要領等の改善すべき点を検討する。などである。参加分析所は民間の3分析機関と当研究室の4分析所である。昭和53年度は、BOD,陰イオン活性剤(ABS)およびフッ化物イオン(以下Fと記す)の3項目について実施した。BODは周知のとおり有機汚濁の指標として重要なものであり、河川水についてはすでに実施しているが、今回は標準値の明らかな合成試料について実施した。また、ABSおよびFは、過去の測定結果の表示桁数、検出限界などが分析所毎に異っており、河川毎の濃度レベルにも差が大きいことから、分析方法等に問題がないかを検討するために実施したものである。 |