留萌港は、本道最北部、日本海に面する重要港湾(昭和27年指定)として、その背後圏は、旭川市をはじめとする留萌・上川・空知支庁の地域を包含し、逐年港勢は伸長してきた。しかい、石油危機を契機とし、港勢が停滞傾向にあり昭和52年年間取扱貨物量は、約2,640千トンで昭和49年比の約93%と少々の落ち込みとなっている。これは主として当港港湾貨物の40%を占める積出原料炭の減少が原因である。一方港勢停滞のもう一つの要因に大型船接岸施設の不足があげられる。旭川市山陽国策パルプのチップ、砂川市三井東洋高圧の燐鉱石、宇部興産のセメントなどは、現在大型船接岸施設を有する室蘭港及び苫小牧港を経由して道北地区に搬入されており、このため各貨物はともに高額な運賃負担を強いられている。したがって、これら企業からの当港における大型係船岸の早期整備方を強く要請されている。また、北米材、北洋材等の船舶についても順次大型化の傾向にあり、これらに対処すべく古丹浜地区岸壁(-10m)185m(1バース)が計画された。この岸壁工事は、本年度より着手し現在鋭意施工中のものである。本年度は基礎工を軟弱地盤改良のため強制置換工法(サンド・コンパクション・パイル工法)で施工したので概要とその問題点及び改良結果について述べるものである。 |