北海道のような寒冷地における道路の築造に当って、凍上対策は不可欠なことである。現在、道路の凍上対策としては、発泡ポリスチレンや発泡ポリスチレン・セメント処理などを用いた断熱工法も試験的に採用されているが、一般的には置換したあとの全凍結深さの80%までを凍上を起こしにくい材料で置換するといういわゆる置換工法が採用されている。この場合、凍結深さをある程度正確に把握することが重要であるがその実測地は限られた地区でしか得られていないため、計算によって求める場合が多い。凍結深さを求める計算式はいくつか提案されているが、それらのいずれにおいても、冬期間の寒さの度合いを示す凍結指数が最も重要な因子となっている。この凍結指数を求めるには相当の作業量を要するため、簡便化された算出法が望まれる。今回の報告は、凍結指数の求め方の精度に関して、気象庁において昭和49年10月から各地の観測データをオン・ライン化した地域気象観測システム(AMeDAS)が作られたことに伴い、その観測網のデータ収録磁気テープを用いて、電算処理して簡便法の精度や、凍結深さの推定におよぼす影響の度合いなどについて考察し、さらに標高補正や、最近10年間の道内主要地点の凍結指数、凍結日数と凍結指数の関係について取りまとめたものである。 |