最近、海岸構造物基礎などにおいては、主にその施工上の制約からくいなどの基礎部材を水面上に立上げて、その頭部を頂版で結合させた、多柱式基礎が採用される例が多くなってきた。このような基礎型式はたわみ性が大きく通常のくい基礎とは設計上違った検討がなされることが多い。大曲くい試験場では51年から多柱式基礎を含めくい基礎の設計上の問題点に関して究明することを目的に新たに、比較的大口径の鋼管ぐいを打設し、各種の試験を行なってきた。今年度もその一環として、多柱式基礎の設計上残された課題の一つと思われる ねじり剛性についての検討のための各種の試験を実施した。ここでは、その結果と若干の検討を加えた結果について述べる。多柱式基礎は、その構造上何本かの自由長を有する柱からなっており、コンクリートケーソンのような閉鎖断面構造でないため、ねじり剛性が乏しい、また、多柱式基礎に限らず普通のくい基礎もまたねじりを受けるような荷重状態のものが見うけられる。そうした荷重状態、あるいは基礎の状態に対しての合理的なくい基礎の設計法の検討には、3次元的な取扱いが必要であり、この面からもねじりを受けるくい基礎の挙動解析を行ない実挙動を把握しておくことが必要と思われる。 |