フィルダムの盛立に際し遮水壁材料施工管理の問題点として、施工含水比の調整方法をどのようにおこなうかによって、それ以降の材料の品質管理が大きく左右されることをあげることができる。過去に建設されたダム、現在建設中のダムの多くは含水比の調整を余儀なくされ、その品質管理に苦労を重ねているのが実態である。現在建設中の十勝ダムは、ロック材約282万m3、フィルタ材約28万m3、コア材約55万m3、でこのうちコア材料の1日平均盛立料は最盛期約2,600m3と大量になる。しかも材料は祖粒材と細粒材を混合し粒度調整するものであり、施工含水比も11.3~13.0%と施工範囲の狭いものである、従来の施工例を見ると人力による散水か、簡易な散水プラントによる含水調整がおこなわれているが、当ダムの材料の含水比のバラツキは品質管理に重大な影響を与えることになり、監督員によるチェックが頻繁に必要となってくる。このため含水比調整を、機械化による自動管理を考え、品質の均一性と省力化を図った。機械設備については特に新機種の開発ではなく、既存の機器の組合せを考えたものであり現在稼動中で好評を得ている。しかし取扱う土質材料特性により画一的に使用できるとは考えられないので、今後使用される場合には部分的に改良を加えるか又は、アイデアとして受けとどめていただき、今後計画されるフィルダム施工に、少しでも参考になれば幸いと存じあえてその概要を紹介するものである。 |