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 沖積河川の砂洲形態と河道形状について

作成年度 1979年度
論文名 沖積河川の砂洲形態と河道形状について
論文名(和訳)
論文副題 昭和54年度(D-29)
発表会 昭和54年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和54年度技術研究発表会
発表年月日 1980/02/22
所属研究室/機関名 著者名(英名)
館谷清
山口甲
森田護
数田茂
抄録
河川は、個有の河道形状を有し、その線形、砂洲の形状等は特色のあるプロフイルを持ち、また変化している。従って、河川計画策定に当っての河道計画は、河川の特徴に応じて、洪水流下能力の確保、安定河道を計画する必要があり、昨今の治水計画上極めて重要な課題とされている。河道内に発生する砂洲は、洪水毎に変化して、時に、堤防欠壊の起因をなすことが多い。従来から。河道設計では流下能力の検討と河川縦断形状の安定性が主として論じられてきたが、設計された河道を維持するためには河道掘削や多くの護岸工事を必要としてきた。ところで、河川改修工事を行っている沖積河川の河道変遷を良く観察すると、河道は河道内に発達する砂洲形態に対応して、変化している。従がって、洪水時に発達する規模の大きい砂洲を無視した人工河道では、一洪水でその様相は急変し多大の被害をもたらすことになる。また、流下能力のみを考慮して河道拡巾を行なった場合には、その拡巾された河道に、以前より大きい砂洲が発生して、流下能力に対する阻害度を大きくすることになりかねない。筆者らは「砂洲形態が河道形状を決定付ける」という考えに立って、河道形を二次元的にとらえ、その安定性について究明し、河道の災害防止対策を図ろうとするものである。多量の流砂量を伴う河川では、洪水時の水深、河巾比H/Bによって、河道内の流れが、交互砂洲か複列砂洲を有するか大別される。交互砂洲の移動状態は単純であるが、複列砂洲が発達した河川では、その移動状態、水衡部の変動が複雑であり、思わぬ処での堤防欠壊がおきている。また、複列砂洲河道での蛇行流の波長は短く勢い水衡部が多くなり、治水対策上不都合のことが多い。本文では、河道内に発生する砂洲の発生条件について、二次元的に論及し、河道災害の軽減、効果的な河道計画論を提唱する。本年度の成果としては、札内川の砂洲の発生条件を分析して、その結果から、計画流量に対しての計画河道の安定性を究明した。札内川の計画河道は、中小洪水、計画高水流量に対して、現状の分流河川を単列砂洲河道に変えるものである。そのため、水衡部は大巾に減少し、河岸・堤防欠壊の危険個所は少なくなる。また、砂洲規模を小さくすることによって、計画された流下能力を確保することができて、河道維持費の軽減が図られる。
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