吹雪による視程障害が多発する地域にある道路には、冬期間の安全・円滑な道路交通を確保することを目的とし、主に防雪柵による視程障害対策が図られている。現在整備を進めている旭川紋別自動車道 白滝丸瀬布道路においても、吹雪による視程障害が多発する地域を通過する路線であり、高規格幹線道路という路線の重要性からも充分な視程障害対策を図るため、防雪柵設置が必要とされている。一方、道路事業に対しては「国土交通省公共事業コスト構造改革」等に基づき、より一層のコスト縮減を推進して行く必要があるため、白滝丸瀬布道路では、その一環として平成15年度より立入防止柵への間伐材の利用を行っている。間伐材製品は鋼材製品と比較して、加工がしやすく材料費の低減も可能なことから、設置延長の長い施設に適用することで大きなコスト縮減効果が期待できる。また、面積の約70% が森林である北海道においては、間伐材は比較的入手しやすい状況にあるほか、木材価格の低迷等によるカラマツ林やエゾマツ林の間伐の遅れもあり、森林育成や循環型社会の構築の観点からも有効利用のメリットは大きい。今回、白滝丸瀬布道路では防雪柵の設置延長が比較的長いことに着目し、間伐材を利用した木製防雪柵の検討を行った。本文では、試験的に施工した4タイプの木製防雪柵について、その防雪効果を把握するために行った現地調査の結果について報告する。 |