天塩川は日本第4位の流路延長と第10位の流域面積を持つ日本最北の大河であり、2市9町1村に約10万人が生活し、カヌーの川としても知られている。天塩川を軸とした地域活性化を図るため、平成15年から観光に視点を置いたモデル構想を流域自治体、関連団体、一般観光客のニーズを聞きながら検討してきた。平成16年10月、「天塩川」は次世代に引き継ぎたい宝物として北海道遺産に選定された。これまで天塩川流域は「観光地」として紹介されることはなかったが、北海道遺産に選定されたことを契機に観光利用への期待が流域内で高まりつつある。こうしたことから、「天塩川」を観光や教育の資源として安全に活用することにより、地域づくりの新たな取り組みや活性化に結び付けようと、9月上旬に「天塩川テストツアー」を実施した。このテストツアーは、北海道開発局が進める「地域協働プロジェクト」のテーマ「北海道観光の魅力UP」の取り組みであり、北海道、流域自治体、教育機関、NPO法人等が連携して、モデル構想のエッセンスを紹介するツアーを企画・実施し、道内外の旅行会社が参加したものである。本報はテストツアーや意見交換会の結果から、天塩川を軸とした観光開発の可能性とその課題について考察したものである。 |