積雪寒冷地における道路では、吹雪による視程障害や吹きだまりが冬期道路交通の大きな障害となっている。そのため、これまでにも道路上の吹雪対策のため防雪柵など整備が進められてきた。防雪柵には主なものとして、吹きだめ式、吹き払い式、吹き止め式の3種類があり、このうち吹き止め式防雪柵は、下部間隙を無くし、空隙率を低く、かつ柵高を高くしたもので、柵の風上に主に吹雪を堆雪させ、道路上の風速の低下と吹雪量の減少をもたらすことにより、視程障害を緩和するものである。近年、高規格幹線道路の伸長により高盛土型式の道路も多く造られるようになった。その場合吹雪対策には、視程障害緩和が求められる目的面、斜面空間が大きい用地上の特色や道路の車線数などの配置面、双方の理由から吹き止め柵が選択されることが多い。しかし地形上、盛土斜面上に設置されることが多く、道路面を基準とした見かけの柵高は低いものとなり、視程障害緩和に与える効果は相対的に平地道路に比べ低くなると考えられる。そこで北海道ガソン(株)、(株)北武研究所と平成14年4月から平成16年3月まで実施した公募型共同研究「防雪柵の 高機能化に関する研究」の一環として著者らは高盛土道路においてより防雪効果の高い新しい防雪柵の開発を行った。本論文では、実験による柵型式の決定及び野外での観測について報告する。 |