河川の護岸工は、治水対策としての河道安定に重要な構造物であり、また最近は、高水敷を公園緑地として高度利用するなどの目的から河川工事の全体に占めるウエイトが急激に増大しつつある。護岸工法については、従来から経済的な手法による要素が強く、理論的にはあまり究明されていないきらいがあった。しかし、先人の苦労の集積だけに現在の工法に基本的な機能上の欠陥は見い出されない。また従来、北海道の護岸の特徴として広く採用されてきたコンクリートブロック単床工から、さらに強度、耐久性の上でより丈夫な工法に変更されつつあり、この工法の開発が望まれている。この調査研究では、護岸工法のうち最も重要な部分である根固工について取りあげ、根固工に関する諸問題について現地の実態を調査分析し、これに併せて実験的、理論的に検討を加えたものである。なお、具体的には、水理条件、河道条件に対しての根固工の施工基面高、布設幅、延長、ブロックの諸元、(大きさ、形状、組合せなど)などがどうあるべきかを検討して、根固工の合理的、経済的な設計指針を得ることを目標としたもので、河川部門の指定課題として、昭和45年から48年までの4ヵ年、調査研究を行ってきたものである。今回、本調査研究によって、コンクリートブロック根固工に関する諸問題が、統計的、実験的、理論的に追求された結果、これらの問題は実用上差しつかえない程度まで解明され、過日、「護岸根固工設計指針」を発刊するに至った。本報文は、「根固工設計指針」の根底をなす調査研究の概要を総括的に取りまとめて報告するものである。 |