築堤におけるノリ面植生工は、施工后において植生が株状になる事が多い。このため草刈作業の危険性の増大、あるいは株化した植生の周囲における裸地拡大などが、築堤の維持管理上において支障となっている。また、現場においてはノリ面の芝草を順調に成育させるため、播種量はどの程度必要であるか、現在の播種量については問題がないかどうかなど解決すべき問題が残っている。芝草の順調な成育のためには施工時期の問題もあるが、この問題については一応満足のいく成果が得られている。残る問題としては播種量と成長率およびノリ面保護効果の関係がある。しかし築堤ノリ面の植生は一般土木材料のように、強度あるいは所定の品質形状が規定されていないので、ノリ面保護効果の表現方法についても検討する必要がある。本調査は以上のような問題を検討するために、北海道内のノリ面植生工に多く使用されている、北方系イネ科の牧草を用いて、昭和47年度から試験調査ヵ所を設け調査検討を行なっている。昭和48年度は築堤ノリ面植生に対し適切な草種と播種量について検討を行なった、即ち草種の選定については昭和47年度に設置した草種選定試験ヶ所の継続調査を行ない、また適性播種量については今年度あらたに設置した試験ブロックについて調査を行なったので、その結果について報告を行なう。 |