一般国道36号は、北海道における政治・経済・文化の中心地である道都・札幌市を起点とし、道内航空路網の中心である基幹空港・千歳、第3期北海道総合開発計画における重要な大規模開発プロジェクトの一つである東部大規模工業基地を有する苫小牧を経て、大工業地区・室蘭市を終点とする132.8kmの道内における最も由緒ある主要幹線道路の一つである。その36号の終点に位置する室蘭市は、東北、北海道唯一の特定重要港湾および道央新産業都市に指定され、近時港湾埋立による工場用地の増設によって、石油、製鉄等の各工場進出拡大がすすみ、港湾都市および重化学工業都市として飛躍的な発展を続けており、本道総合開発推進の拠点都市としてますますその重要な地位を占めている。すなわち、室蘭港の貨物取扱量は、昭和44年度で2,284万t(昭和45年度は2,454万t)と、道内港湾総取扱量の41%を占め、本道最大の貨物取扱量を誇り、また、その工業は、本道最大の重化学工業地帯として、半世紀にわたる集積を持ち、昭和44年度の工業出荷額は、1,911億円(昭和45年度は2,275億円)と、全道の約15%を占め、本道工業開発の主導的役割を果している。一方、これらに対応する陸上輸送量も年々急増し、室蘭市に出入する自動車交通量は増加の一途をたどり、半島部唯一の主要幹線である国道36号は、昭和43年の道路交通情勢調査の時点で、すでにその交通量を上廻っており、昭和46年6月の同調査では、混雑度は2.60~3.84に達し、もはや幹線としての機能を十分に発揮し得ない状況にある。このような混雑を解消し、安全かつ円滑な交通機能を確保するため、日の出町を起点とし、中央町交差点を終点とする約8.3kmのバイパスを計画し、昭和46年着工、昭和51年度完成を目標に鋭意施工中である。 |