道内における排水路は従来素掘水路が多く、そのため潤辺の侵食、洗掘、崩壊などの被害を受け、機能を十分に果たせないものが多い。このような被害発生の原因は、潤辺近傍土質の各種抵抗力が流水、地下水などの外力に抗しきれないためである。この対策として一般に1.水路内の通水流速を制御すること、2.潤辺に適当な防護することなどが考えられている。1.は水路勾配、減勢工、落差工などで対応するが、現況地形条件などにより1.の方法が不利なものは2.の方法(ブロック装工)により水路を保護している。しかしブロック装工の排水路が増加する一方、ブロック目地から土粒子が流出し、ブロックが沈下したり法面上部に設置したブロックがスベリ落ちるなどの災害が現われた。この流出を止める目的でブロックと地山との間にフィルター材(帆布)を敷設する工法がここ数年の間に開発され、徐々に定着化してきた。この帆布は土木工事用の透水性材料として市販されているが、現在その種類が極めて多く選択に迷う状況である。この報告は、帆布の使用に際してその選択基準を得るため行なった試験の報告である。試験には14種類の帆布を用い、3種類の土性と組み合わせ、それぞれの効能と帆布を使用しない場合の結果をここにまとめたものである。 |