積雪調査は4月、5月の融雪出水を予測する意味で、北海道では水文観測の一つとして年行事になっている。これは、12月~5月の約半年間の降水量が4月、5月の2ヶ月間で流出するもので、水利用の上からも重要な資源であり、エネルギー源の一つでもある。積雪調査は、従来スノーサーベイにより調査しているが、気象変動のしやすい時期であり、非常に危険度が高く、過去に多くのいたましい犠牲者を出している経験がある。また調査に要する労働力が非常に大きいため、調査範囲も限界があり、融雪出水による洪水予報あるいは、多目的ダム等の流入予測などに難題を呈し、水文学分野では立遅れたケースである。この調査は豊平峡ダム流域内の1km格子点における特定日の積雪深、積雪密度、積雪水量をその地点の地形因子と流域内及び、その地点気象観測点の気象因子により推定する積雪モデル式、並びに流域内の融雪水量を流域内及びその他の気象観測点の気象因子より推定する融雪モデル式を作成し、任意地点の積雪量、融雪量を推定し、河川流出量を求めるシステムモデル手法である。流域面積134km2の豊平峡ダム流域内に設定した1km格子であり、各モデル解析の作業手順は示す通りである。 |