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 泥炭軟弱地河川における塑性流動に関する基礎理論の研究

作成年度 1974年度
論文名 泥炭軟弱地河川における塑性流動に関する基礎理論の研究
論文名(和訳)
論文副題 昭和49年度(D-29)
発表会 S49年度技術研究発表
誌名(No./号数) S49年度技術研究発表
発表年月日 1974/04/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
藤本保
橋本識秀
抄録
石狩川中流域の泥炭地河川における改修工事の長い歴史は、忍耐との勝負といっても過言ではない。この間、泥炭地河川における築堤工事、低水路開削に伴う盛土の埋設、スベリ破壊、堤内外の隆起、塑性流動による河床隆起の多くの事例現象の経験の中から、その手法、工法の工夫が行なわれてきたが、河川改修が連続堤、完成堤と進捗率を高めるに伴い、泥炭軟弱地河川の暫々定断面の築堤は弱点部として浮彫となり、築堤の嵩上げ、低水路の拡巾などが急務となった。しかし、そのための工法、手法が経験式(たとえば限界盛高、押え盛土の寸法など)の範囲を出ていないことから抜本的な解決を望むことは困難であるといってよい。しかも、先人が多くの困難を克服し盛ってきた築堤も、その地盤である泥炭が十分圧密されていないので、泥炭上に浮いている状態であり、高水時に対する安全性に不安が残る。さらに、最近の対策工法は盛土することはできるにはできるが、河川敷地の狭い所では周辺地盤の影響が大きく、河床隆起、田畑の浮上り、排水への支障など地元とのトラブルが多く何らかの対策を講じる必要があるであろう。これらの問題を解決するには、泥炭の挙動を把握しない限りその有効な工法を見出せないのであるが、現状の圧密沈下と円弧すべりだけの解析では、道路等の盛土には十分であるが、築堤工事等におけるスベリ破壊や側方流動の泥炭の挙動を適確に把握できず、これらを表現する何らかの簡単なモデルが必要であろうと思われる。そこで、泥炭を圧密することによって強度を増し、しかも周辺地盤に悪影響を及ぼさず、高水時にも安全な盛土工法を見出し、泥炭挙動の簡易モデルを模索することを目的に、清真布川で試験工事をすることにした。その概要を本文で述べることにする。
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