本橋の架設工事は昭和42年12月に基礎グイの載荷試験工事より開始され、その第1期工事として昭和47年7月に4年7ヶ月の工期を要して完成を見た。引き続き昭和48年6月より第2期工事が開始され昭和51年度末には全橋(延長=1,412,700)完成する予定である。本橋の工法上において特記すべきことは、上部構造では主径間部に3径間連続斜張橋を採用したが、その設計に当っては長大支間(中央支間=160,000)でもあり又斜張橋という構造上の関係から特に耐風安定性に気をくばり設計したこと、又側径間部に採用した2,4径間連続合成ゲタは本邦に於いての最大支間(62,200)の橋梁でありかつ工法的には従来採用されてきた支点附近でプレストレス等の作業を現場で一切行なわず非常に現場での架設、床版作業等が従来の工法に比べて容易であるとの反面まだ新しい工法でもあったので現場では種々の実験を行ないその安全性を確認しながら施工したこと、さらに下部構造では主径間部の最大反力の受ける橋脚の基礎として本邦で始めて採用した鋼管矢板を用いたセル型ウエル工法を採用しその設計に当っては本橋で独自に開発された計算法を使用し又現場に於いても静的、動的にその安定性を確認しながら施工すると共にセル型ウエルの模型実験などによりその計算法の妥当性を確認した。石狩河口橋の報告文については現在迄に本報告集並びに学会等の報文に多数照会されているが、ここでは現在迄に発表されていない側径間部のプレストレスしない連続合成ゲタの設計及び現場に於いて実施した実験の一部を報告したい。尚今回の報告は第13回の本報文集に於いて発表されたものと一部重複するところもある。 |