国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

論文・刊行物検索

詳細情報

 特殊異形ブロック積み消波岸壁の反射率

作成年度 1974年度
論文名 特殊異形ブロック積み消波岸壁の反射率
論文名(和訳)
論文副題 昭和49年度(F-5)
発表会 S49年度技術研究発表
誌名(No./号数) S49年度技術研究発表
発表年月日 1974/04/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
時川和夫
抄録
近年、海岸および港湾構造物の前面に異形コンクリートブロックを設置して、波のエネルギーを減殺させるいわゆる消波ブロックが多種多様に製作、施工されてきた。消波ブロックはその安定性を重視するために、個々の一単体としての安定性や施工性の概念から発展し、改良され、今日のものに派生してきている。しかしながら実際に設置される施工断面全体を一体として考えた安定性ならびにその消波性に関しては、個々のブロックの特性が十分に発揮されたものになっているかどうかははなはだ疑問で、またこれら一体となった形状による波の消波性に関して研究された論文も数少ないのが現状である。最近になって、港湾工事の拡張や、港内岸壁の整備に伴って、とりわけ小港湾や漁港においては、従来自然海浜や、船揚場斜路であった港域が直立岸壁に整備されて、港内に侵入した波浪エネルギーは消散することなく岸壁間を反射して、また港内副振動を誘発させる原因ともなって、港内静穏度を著しく低めている。このために消波機能を持った直立岸壁の必要性が要請され、北海道においては昭和45年から追直漁港や館浜漁港においてケーソンタイプの直立消波岸壁が計画施工され、港内静穏度を高めるのにその効果を発揮している。ごく最近になって特殊異形コンクリートブロック積みの消波ブロックが製作され、これを直立岸壁に施工して消波岸壁とする試みが計画され、九州門司港や道内各地漁港などにそれらの施工が普及しつつある。消波岸壁施工の目的は港内の反射波を吸収して港内静穏度を高めるとともに、岸壁前面における波高を許容限界波高内におさえて、荷役および係留を容易ならしめるものである。最近の港湾工事は港の高度利用、大水深化とともに省力化、急速施工が1つのポイントとなりつつあり、今後ますます消波岸壁の普及が盛んになるものと予想される。ここでは、これら直立消波岸壁の反射率について検討を加え、最も効果的な施工断面を得るために必要なブロックの形状や大きさおよび空隙率について実験的に検討し、今後の消波岸壁開発の一指針を得ることを目的にした。
本文表示
このサイトで提供される情報には、PDFファイルが使われています。PDFファイルをご覧頂くにはAdobeReaderが必要です、「Get AdobeReader」をクリックしてダウンロードしてください。 AdobeReaderダウンロード
ページの先頭へ

この画面を閉じる

© 2023 Civil Engineering Research Institute for Cold Region, All rights reserved.