一般国道38号の内、狩勝峠は道路標高560m~620m、稜線が700m~800mの気象変化も激しく、地形的にも急峻な南東に面した斜面の中腹を通過し、冬季の雪崩と吹溜の発生は冬季交通の大きな障害となっている。近年の交通量は、昭和46年度比で当該区間では1.64倍にも達し、特に大型車輌の輸送が、その内の45%を占める道央と道東を結ぶ重要な幹線道路であり、冬期における交通確保と安全性の確保は道路管理者として最も重要な任務である。雪の対策は大別すると、降雪および積雪そのものの対策と、一旦斜面に積もった雪の対策との二種に分けられると考えるが、当ヶ所は後者すなわち雪崩対策として過去(昭和41年現道開通後)に雪崩発生のあったヶ所から対策工法を検討して実施している。本報告は当該地域における雪崩対策について、無雪期および冬季に撮影した空中写真(撮影1/6000、図化1/1000)に基づいて、雪崩に関する情報を判読、測定、解析し、それに既往のデーターを加味し、雪崩発生の危険性とその対策計画について報告するものであるが、今回は昭和49年度無雪期に撮影した(昭和49年11月撮影)空中写真により、地形上からの雪崩発生危険度を判定したものと、過去に発生した雪崩ヶ所と対比し、現在実施中の対策工法を紹介するものである。 |