| 国営総合農地防災事業「浜頓別北部地区」は、北海道宗谷支庁管内の中部枝幸郡浜頓別町内に位置し、地域農業は酪農を基幹とした土地利用型大規模経営の展開により、粗飼料自給率の向上と生産コストの低減を図り、効率的かつ安定的な酪農経営を確立することを目指している。本事業は特殊土壌である泥炭土に起因し機能低下を生じている613haの農地を対象に、農業用排水路を改修し通水能力の回復を図り、併せて暗渠排水等農地保全を行うことにより、農業生産の維持及び農業経営の安定化を目的としている。本地区の排水路下流域にはラムサール条約登録湿地であるクッチャロ湖湿原があり、貴重な自然環境が存在している。このため、これまで地区内他排水路で採用していた配慮工法である篭マット工法(近自然工法)に加え、地区内の第4号排水路において数種類の環境配慮工法を実施した。また、環境との調和への配慮に関する調査、施工の実証的なモデル地区として平成15年度から平成18年度において「環境配慮技術工法確立実証調査」により魚類等の生息調査(モニタリング)を継続している。本発表は、昨年度に引き続きこれらの環境調査内容、施工後のモニタリング状況及び環境配慮工法の効果について報告するものである。 |
