国内物流において食料品、日用品あるいは半製品等の比較的商品価値の高い貨物は、ユニット貨物としてトラックで運ばれている。このユニット貨物の輸送が遠距離であったり、輸送先が海を隔てた地域にある場合は、フェリー、RORO船等や鉄道コンテナ等が利用されている。平成9年に採択された京都議定書の発効を踏まえ、改正省エネ法が平成18年4月に施行され、エネルギー消費量の伸びの著しい運輸分野、住宅・建築分野において対策が導入された。このことから今後より一層のCO2排出量削減に向け、CO2排出量のより少ないフェリーやRORO船等はモーダルシフトの担い手としてますます重要な輸送形態と位置づけられ注目されている。内貿ユニット貨物において、近年はジャストインタイムに代表されるような顧客の物流ニーズの高度化・多様化が一般化している中、産業競争力強化および消費材価格の安定を図るために、より迅速・正確かつ効率的な輸送形態が望まれている。そこで、本報文では、より高度化された国内物流に対する北海道港湾整備の方向性について検討するため、内貿ユニット貨物輸送のうちフェリーおよびRORO船航路を利用する貨物に限定して貨物トラックの調査をすることで貨物流動の実態を把握し、発着地を含めた北海道の内貿ユニット貨物輸送の動向について考察を行ったので報告するものである。 |