近年我が国では、職場における精神障害を事由とした労災申請及び認定件数が増加傾向にある等、心の健康の問題が職場に与える影響は、ますます大きなものとなり、厚生労働省は平成18年3月に勤労者の心の健康の保持増進措置を指針として定めた。同指針は、労働者の心の健康の保持増進のため、(1)セルフケア、(2)ラインによるケア、(3)事業場内産業保健スタッフ等によるケア、(4)事業場外資源によるケアの4つのケアへ継続的かつ計画的に取組むことの重要性を指摘し、セルフケアとして、労働者自身がストレスに気づくこと、さらにこれに対処するための知識、方法を修得し、実践していくことの必要性を明確に示した。セルフケアは、人事院が公務の円滑な推進を目的に平成16年3月に定めた「職員の心の健康づくりのための指針」においても職員自らに望まれる重要な役割として指摘されている。今般、当局におけるセルフケアの推進を目的に、北海道大学医学部保健学科の協力を得て、職場内教育のモデルカリキュラムの設定と試行による効果検証を行い、教育の有効性を確認する結果を得るとともに、同時に実施したストレス実態調査の結果を加味しながら、世代別の特徴を勘案した教育内容について考察を行った。 |