後志管内では、平成8年度以降2度発生した大規模岩盤崩落災害等を背景に、道路管理者として夏期・冬期を問わず、安全で安心な道路交通の確保に向け、迅速かつ適切な情報提供が求められている。特に、後志地域は道内屈指の豪雪地帯を抱え、冬期の厳しい気象条件のもとで、路面凍結・視程障害が発生しており、道路情報提供の必要性が高まっている。また、この地域は観光資源に恵まれており、札幌・小樽等の主要都市に近接しているという地理的要因も重なり、道内で最も観光入込客数の多い地域となっている。地域の観光振興の観点からも、きめ細やかな道案内等が求められている。一方、道路利用者への道路情報の提供は、現状道路情報板や道の駅情報提供端末、インターネットなどによって行われているが、これらの手段は情報端末の利用方法や情報提供場所の限定性などの課題が存在する。そこで、不特定多数の誰もが簡単に利用できるラジオに着目し、中でも放送免許を必要としないミニFM放送を活用した情報提供に関する実験を昨年度より実施してきた。本稿では、官民協働による「道の駅」や「しりべしiセンター(後志管内の観光案内所)」におけるミニFMを活用した情報提供の取り組みについて報告する。 |