日本政府は、国際観光の振興による観光立国実現が21世紀の我が国の発展に不可欠として、2003年7月の観光立国行動計画での「ヴィジット・ジャパン・キャンペーン」推進をはじめ、2007年1月に施行された「観光立国推進法」では、国や自治体に対して外国人観光客の増加に繋がる施策を講ずることとされた。また北海道においても、その恵まれた地域資源を活かした「観光」を重点施策と位置づけ、北海道開発局では関係機関や地域住民と協働して「シーニックバイゥエイ北海道」を全国に先駆けて本格展開するなど、来道観光客の誘致に積極的に取り組んでいる。このように国際観光の重要性が増す中、北海道ではレンタカーを利用したドライブ観光が増加しているが、アジアを中心に急増する外国人観光客にも、車窓からの美しい自然や沿道景観などを楽しみながら周遊するドライブ観光のニーズの高いことが、和泉らの調査で明らかとなっている。さらに2008年から来道外国人で最も多い台湾観光客への国際免許の発行の報道がされるなど、外国人のドライブ観光のさらなる増加が予想される。そこで、国際競争力があり今後さらに増大が見込まれる北海道での外国人ドライブ観光の魅力向上のため、官民の関係機関が連携してシンガポールと香港からのツアー客を対象に実証実験を行ったので、これらの結果を通じ北海道における外国人ドライブ観光のニーズと課題について考察する。 |